金田たつえ全曲集 四季の酒

金田たつえ 金田たつえ全曲集 四季の酒歌詞
1.四季の酒

作詞:仁井谷俊也
作曲:幸斉たけし

合縁奇縁で 結ばれて
今日までふたりで 歩いてきたの
振り向きゃ苦労の 道のりだけど
出逢えてよかった… 春は桜酒

あなたの太鼓の その音に
合わせて今年も 浴衣で踊る
一緒に暮らせば 顔まで似るわ
夜空に花火が… 夏は祭り酒

涙も笑いも あったけど
喧嘩の数だけ 仲良くなれる
何年振りでしょ 相合傘は
はらはら紅葉の… 秋はしぐれ酒

お互い黙って 瞳(め)をみれば
こころが読めます 話ができる
足りないところは いたわり扶(たす)け
添いとげましょうね… 冬は雪見酒


2.天北原野

作詞:掛橋わこう
作曲:剛田隆

ひゅるひゅると‥
雪の荒野の 吹き渡る
おんな涙の まよい風
追って来るなの 一言で
終わる恋なら 捨てもする
切れない絆を さぐるよに
たどる果てない 天北(てんぽく)原野

滔滔(とうとう)と‥
白い大地を 縫うように
夢を切り裂く 天塩川
愛の暮らしは 嘘ですか
笑い合う日は ないですか
想い出埋めて 降り積もる
雪が哀しい 天北(てんぽく)原野

凛凛(りんりん)と‥
雪を凍らす 冬あらし
くじけそうです 寒すぎて
遠い灯りが 見え隠れ
追って行きたい すがれない
愛しさこわさが 渦を巻く
鳥も飛ばない 天北(てんぽく)原野


3.ひとり挽歌


4.風の追分みなと町

作詞:仁井谷俊也
作曲:蘭一二三

風の江差に 来てみれば
はぐれ 鴎が 波に舞う
あなたお願い帰ってきてよ
日暮れの海に名を呼べば
老いたヤン衆の 老いたヤン衆の 追分が
おんな泣かせる 港町(みなとまち)

あなた偲べば 鴎の島にヤンサノ-エ-
沈む夕陽も なみだ色

浜に埋もれた 捨て小舟
どこか私に 似た運命
ほろり落とした涙のなかに
やさしい笑顔浮かぶ夜は
海の匂いの 海の匂いのする 酒場で
吐息まじりの こぼれ酒

窓の向こうの 漁火は
女ごころの 命火よ
いつか逢えるわ あなたに逢える
浴衣につつむ 湯あがりの
燃える素肌が 燃える素肌が あの夜を
思いださせる 港宿(みなとやど)


5.望郷江差~演歌・江差追分~

作詞:民謡江差追分より
作曲:萩仁美

松前江差の 津花の浜で ヤンサノエー
好いた同志の 泣き別れ
連れて行く気は やまやまなれどネ
女通さぬ 場所がある

泣いたとて どうせ行く人 やらねばならぬ
せめて波風 おだやかに
泣くに泣かれず 飛んでも行けずネ
心墨絵の 浜千鳥


6.流転


7.さいはて女工節


8.北海母子旅


9.~坂本龍馬~青嵐の夢


10.よさこい渡り鳥

作詞:高橋直人
作曲:池田八声

黒潮舞台に 鰹が踊る
月も浮かれる 桂浜
嗚子の囃子が 聞こえたら
土佐のふるさと おもいだせ
よさこい よさこい 祭りにゃ飛んで来い
帰ってこいこい よさこい渡り鳥

南国育ちの この胸焦がし
燃えてはじけた 恋花火
別れを惜しんで 寄り添った
赤い燗干 なごり橋
よさこい よさこい 幸せ連れて来い
帰ってこいこい よさこい渡り鳥

岬で見渡す 海より 深い
情け波打つ 城下町
逢える日信じて 待っている
土佐の高知で暮らそうよ
よさこい よさこい 夢でも飛んで来い
帰ってこいこい よさこい渡り鳥


11.阿波の恋唄

作詞:木下龍太郎
作曲:池田八声

エライヤッチャ エライヤッチャ
ヨイヨイ ヨイヨイ

浮いて浮かれる よしこの節の
節が哀しい 私には
祭りが済めば 元の他人の二人なら
振りは陽気に 踊っていても
音が泣いてる 利休下駄
エライヤッチャ エライヤッチャ
ヨイヨイ ヨイヨイ
祖谷のかずら橋ゃ ゆらゆらゆれど
主と手を引きゃ こわくない

千々(ちぢ)に乱れた 桃色蹴出し
燃えて過ごした 夢一夜
眠れぬままに 窓を開ければ波の音
女ごころと 鳴門の潮は
止めて止まらぬ 渦になる
エライヤッチャ エライヤッチャ
ヨイヨイ ヨイヨイ

つのる未練を 鳥追い笠に
そっと隠して 袖を振る
忘れはしない いのち重ねた恋だもの
胸で貴方に 別れを告げりゃ
三味がひと泣き 阿波踊り
エライヤッチャ エライヤッチャ
ヨイヨイ ヨイヨイ


12.夢花火

作詞:三浦康照
作曲:石中仁人

逢えば逢うほど 別れが辛い
辛い別れの しのび逢い
不倫じゃないのよ わかるでしょうか
たとえわずかな間でも
燃えていたいの あなたの胸で
女ごころの 夢花火

私ひとりの あなたじゃないと
知っていながら 奪いたい
愛しか見えない いけない女
帰るあなたを 追いかけて
ひとり見上げる 夜空に咲いた
運命はかない 夢花火

あなたひとりに 命を賭けて
灰になるまで 燃えたいの
信じて下さい 女のこころ
ひとり寝る夜の さみしさを
抱いて探すの あなたの匂い
しょせんふたりは 夢花火


13.愛恋ほたる

作詞:高橋直人
作曲:萩仁美

みだれた髪を いとしむように
やさしく流れる 指の櫛
幸せに酔いしれて 心重ねても
夢を引き裂く 夜明けが憎い
明日はいらない 愛恋ほたる

あなたに逢える その日をいつも
この胸焦がして 待ちわびる
ひとり寝の淋しさに 泣いた数だけは
抱いて下さい 情けが欲しい
炎えて死にたい 愛恋ほたる

人目を忍ぶ 仲でもいいの
それより哀しい 朝が来る
離れても一時も 忘れないように
肌をすり寄せ 移り香つける
灯す命火 愛恋ほたる


14.愛の絆

作詞:沼川淳
作曲:花笠薫

頑固な父でも 生きてたら
ちょうど似ている 年・格好
人になじめぬ 仕草まで
押せば伝わる 車椅子 “お父さん”
あなたの苛立ち わだかまり
ぶつけてくれても いいのです

働き尽くめの 母のよう
指のリウマチ 痛むのね
つらい昭和の 夢なのか
語るそばから 目が潤む “お母さん”
いいのよ泪が 涸れるまで
聞かせてください 茨道(いばらみち)

介護が無償の 愛ならば
それに報いる 愛もある
にぎり返して くれる手で
お世話様です 云われると “お婆ちゃん”
嬉しくなります こちらこそ
あなたの笑顔が 励みです


15.お母さん

作詞:関口義明
作曲:花笠薫

どなたですかと 他人のように
わたしを見上げて きく母の
笑顔は昔と 変わらぬものを
いいのよ いいのよ お母さん
やせた手をとり うなずきながら
あふれる涙が 止まらない

苦労親坂 女手ひとつ
なりふりかまわず 五十年
働き続けて くれたんだもの
いいのよ いいのよ お母さん
淡い陽射しの 硝子戸越しに
今年も咲いてる 花すすき

母の背中で ねんねの歌を
きかせてもらった あの道を
今度はわたしが おぶってあげる
いいのよ いいのよ お母さん
心やさしい みんなの中で
いのちを灯して また明日も


16.花街の母

作詞:もず唱平
作曲:三山敏

他人にきかれりゃ お前のことを
年のはなれた妹と 作り笑顔で 答える私
こんな苦労に ケリつけて たとえひと間の部屋でよい
母と娘の 暮しが欲しい

いくらなじんだ水でも 年頃の娘のいる
左褄(ひだりづま)
住みにくうございます
浮名を流した昔もありましたが…
ああ あのひと
私を残して死んだ あの人を恨みます

厚い化粧に 憂いをかくし
酒で涙をごまかして 三味にせかれて つとめる座敷
あれが子持ちの芸者だと バカにされても夢がある
それはお前の 花嫁姿

女の盛りはアッという間です 若い妓の時代
もう私はうば桜 出る幕ないわ
でも もう少し この花街に 私を置いて下さい
せめてあの娘に いい花聟が 見つかりますまで

何度死のうと 思ったことか
だけど背で泣く 乳呑児の 声に責められ十年過ぎた
宵に褄とる女にも きっといつかは幸福が来ると
今日まで 信じて生きた